MACDはMoving Average Convergence / Divergence Trading Methodの略で、日本語に訳すと「移動平均収束拡散トレード法」となります。
2本の移動平均線が収束したり拡散したりする様子を分析し、トレンドの発生や継続、強弱を見つけられるテクニカル指標です。
MACDの構成要素
MACDはMACD線、シグナル、ヒストグラムで構成されています。
MACD線
MACD線の値は短期移動平均線と中期移動平均線の間隔を指しています。
MACD線=短期EMA-長期EMA
使用する移動平均線は指数平滑移動平均線(EMA)です。
直近価格を重視した指数平滑移動平均線(EMA)は、単純移動平均線(SMA)に比べてサインが早くダマシが少ないという利点があります。
移動平均線の補助としてMACDを使用する場合はパラメータ(期間)を合わせます。
MACD線がゼロラインから離れている(移動平均線同士の間隔が広い)とトレンドに勢いがあるということです。
逆に勢いが落ちて移動平均線同士の幅が狭まってくるとMACD線がゼロラインに近づいていくので、MACD線は価格変動に先行して下がり(上がり)始めます。
移動平均線が完全に収束した時にはMACD線はゼロライン上にあり、ゴールデン/デッドクロスの発生を示してくれます。
MACDシグナル
上の図の緑の線で示されたMACDシグナルは、MACD線の9日単純移動平均線です。
株価と移動平均線の関係と同じで、MACD線の上昇下降を的確に捉える助けになります。
MACD線がMACDシグナルを上抜く/下抜く、ゴールデン/デッドクロスで売買サインとされています。
ヒストグラム
ヒストグラムはMACD線とMACDシグナルの差(間隔)を示しています。
ヒストグラム=MACD線-シグナル
MACD線の上昇トレンド中はヒストグラムがゼロラインより上、下降トレンド中はゼロラインより下になります。
トレンドが強くMACD線とシグナルの間隔が拡がると棒は長くなり、トレンドが緩やかになると棒は短くなります。
ゼロラインからの上下、棒の短調で、MACD線のトレンドを早く察知できますが、早い指標だけにダマシも多く、MACD線クロスの予告信号として使うのが推奨されます。
MACDを使ったトレード
MACDの売買シグナルは、
ヒストグラム
↓
MACD線とシグナル
↓
移動平均線
の順番で出現し、出現が早いほどダマシも多くなるので、それぞれの段階で建玉のサイズを調整します。
トレードの流れ
MACDは2本の指数平滑移動平均線の補助として一緒に使います。
①ヒストグラムの底打ち&増加
様子見or試し玉
↓
②MACD線とシグナルのゴールデンクロス
本仕掛け
↓
③2本のEMAのゴールデンクロス
追加玉
↓
④ヒストグラムのピークアウト
一部早めの手仕舞い検討
↓
⑤MACD線ピークアウト
一部決済
↓
⑥MACD線とシグナルのデッドクロス
全決済
MACDで注意すべきダマシ
MACDでダマシが多くなるパターン。
仕掛け時
・ゼロラインより上のGクロス、下のDクロス
・ゼロライン近辺のクロス
・ヒストグラムの小さな山や谷
仕掛け後
・ゴールデンクロス後にMACD線とシグナルが平行か間隔を広げながら上昇、ゼロラインを上抜くのが正しい動きで、そうでなければダマシの可能性大(デッドクロスは逆)
より詳しく学びたい場合の参考書籍
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