一目均衡表は一目で買い方と売り方の勢力均衡が分かるテクニカル分析手法です。

買いと売りが拮抗している均衡点の位置を知れば、現地点で買いと売りどちらが強いか判断できます。

相場は均衡が崩れた方向に動くので、勢いが強い方についていくことでエッジ(優位性)が生じるというわけです。

一目均衡表を使うことでトレンド転換やもみ合い放れを発見し、新しいトレンドが継続しているかどうかを確認しながら手仕舞いの時期を測ることができます。

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一目均衡表を構成する指標と計算式

テクニカル分析で大切なことは、その指標が示す意味を理解し、対象としている期間内にトレーダーたちが取ったポジションの状況や心理を予測することです。

そのためには指標がどのように計算されてるかを理解する必要があります。

一目均衡表の線

転換線:(過去9日間の高値+安値)÷2
基準線:(過去26日間の高値+安値)÷2
先行スパン1:(転換線+基準線)÷2で26本未来に描画
先行スパン2:(過去52日間の高値+安値)÷2で26本未来に描画
遅行スパン:当日終値を26日過去に描画

パラメータ(期間)は変えずに使います。
※単位が「日」となっていますが、日足だけでなく分足、週足、月足でも単位を修正して使用できます。

26日(当日含む)というのは建玉の平均的な保有期間でもあります。

全ての線は抵抗線、支持線になり得、トレンドがある時は押し目、戻しの限界ポイントを示し、どこまで押す(戻す)かでトレンドの勢いが分かります。

押しが浅い場合は強い、深い場合は弱いということです。

転換線と基準線

転換線、基準線は過去9日間(短期)、26日間(中期)の高値安値の中心をつなげてあるので、それぞれの期間中の半値線(相場水準)であると言えます。

半値線は買いと売りの均衡点を示し、価格が半値線より上にあれば買い優勢、下にあれば売り優勢を示しています。

先行スパン1と先行スパン2

一目均衡表の最大の特徴は先行スパンによって「未来に線を引く」ことです。

先行スパン1は転換線(短期)と基準線(中期)の中間点を26日後に描画した点を繋いだ半値線で、短~中期的な相場水準を示しており、おおよそ3分の1押し(戻し)ポイントです。

先行スパン2は過去52日間の上昇/下降に対する26日後(1/2)の半値押し(戻し)ポイントで、現在までのトレンドが継続するかの分岐点(最後の砦)を示しています。

未来に線を引く予測とは、予想することではなく、予め計っておくことです。

先行スパンでモデルパターンを作っておき、実際の値動きと比較することで重要な発見に結び付けることを目的としています。

例)長期的な半値押しポイントである先行スパン2を割った→トレンド終了かな?

半値線が上昇/下降する意味

期間内の最高値と最安値の中心である半値線が上昇/下降するのは2パターンのみです。

・本日の価格が期間内の最高値/最安値を更新
・期間中最古のデータが最高値/最安値で、それが時間経過で計算区域外になる

このパターン以外では半値線は水平となるので、半値線の上昇/下降は、高確率で新高値/新安値を示す重要な意味を持ちます

もみ合い放れのサインにもなります。

先行スパンが描く雲(抵抗帯)とは

雲(抵抗帯):先行スパン1(26日)と先行スパン2(52日)に挟まれた部分です。

一目均衡表の雲(抵抗帯)

雲が厚い/薄いのは26日前にトレンドが有る/無いということで、トレンドがある相場は雲(まず先行スパン1)で跳ね返されやすいという性質があります。

雲がねじれた日(≠ねじれている日)は大勢に転換を示す兆候となります。

遅行スパン

当日の終値を26日過去に描画した遅行スパンは、

価格より上にある:その時点の買い手は25日後に利益
価格より下にある:その時点の買い手は25日後に損失

ことを意味し、それがどのくらい儲かっているのか、儲けは拡大しているのか縮小しているのかが分かります。

相場を縦と横から分析する

一目均衡表は同じ日に並ぶ縦の点から約100日(短~中~長期)の値動きが分かります。

転換線:過去9日の相場水準
基準線:過去26日の相場水準
先行スパン1:25日前基準の転換線と基準線の半値
先行スパン2:25日前基準の過去52日の相場水準
遅行スパン:25日後の価格

指標を横に繋いだ線と合わせて、これが一目山人が言う相場を縦と横から同時に分析するということです。

一目均衡表による売買

均衡表の好転と逆転

一目均衡表で最も重要な概念は均衡表(転換線と基準線)です。

好転:転換線が基準線を上抜く(買い)
逆転:転換線が基準線を下抜く(売り)

抜かれた基準線がすぐに転換線と同じ方向に転じなければダマシの可能性が高いのですぐに手仕舞う。

安定的な上昇/下降を繰り返す時は絶好の売買シグナルだが、もみ合い相場の時は機能しません。

もみ合い相場では、

転換線は9日、基準線は26日、先行スパン2は52日

と、横ばい(中心)になっている線の基準日数を基に周期を想定することができます。

もみ合いの高値安値でトレードするか、横ばいの線まで戻らない、横ばいの線がどちらかに動くもみ合い放れを狙ってトレードすることができます。

遅行スパンの好転と逆転

価格線を上抜け:好転、買いサイン
価格線を下抜け:逆転、売りサイン

価格が雲を上抜ける

価格が雲(抵抗帯)を上抜けて、短期、中期、長期すべて買い勢力が優勢になる。

一目均衡表でのトレンド転換の段階

一目均衡表のトレンド転換

①価格が転換線を上抜け
②価格が基準線を上抜け
③転換線が基準線を上抜け(均衡表好転)
④遅行スパンが価格を上抜け
⑤価格が雲に突入
⑥先行スパン1が先行スパン2を上抜け(雲のねじれ)
⑦価格が雲を上抜け(三役好転)
⑧転換線が雲を上抜け
⑨基準線が雲を上抜け
⑩線の並びが買い完成形

三役好転は価格が転換線、基準線、先行スパン2の3線を上抜け、短中長すべて買い勢力が優勢になったことを意味します。

三役好転は、均衡表好転→遅行スパン好転→価格の雲上抜けの順番で起こるのが基本であり、異なる場合は注意が必要です。

より詳しく学びたい場合の参考書籍

チャート分析の第一人者として投資教育活動をされている小次郎講師こと手塚宏ニ氏の大作。

テクニカル分析の書籍にありがちな「これが買いサイン、売りサイン」という、簡単だが中身の薄い分析とは異なり、「なぜそうなっているのか?それはどういうことなのか?」をしっかりと伝えてくれる良書です。

小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大全

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小次郎講師流 目標利益を安定的に狙い澄まして獲る 真・トレーダーズバイブル

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