暗号資産(仮想通貨)に対してアンテナを張って投資をしていると「DeFi」という言葉をよく目にします。
「パンケーキスワップでイールドファーミングをして高い年利を得ている」という話もよく聞きます。
この記事では「DeFi」やイールドファーミングについて、これらは一体全体何なのか、ということを簡単に説明します。
DeFiとは何か
Decentralized Finance(分散型金融)の略で、銀行や証券会社など第三者による管理がなされていない金融の形態を指します。
対照的に、第三者による管理がされている従来型の金融をCentralized Finance(中央集権型金融)と呼びます。
例えば証券会社で株を購入すると、証券会社が投資家と発行体企業の間に入って、取引を自社の台帳に記録して管理します。
預け入れたお金と購入した株は証券会社が責任を持って管理し、流出があった場合には補償してくれます。
Decentralized Finance(分散型金融)では、取引は第三者に管理されていないブロックチェーンに記録され、第三者の仲介が不要になります。
これはユーザーにとって手数料の削減や、面倒な証券口座開設が不要ですぐに取引ができるというメリットがあります。
ただし最初に暗号資産を買うときには中央集権型の仮想通貨取引所を利用することが多いです。
暗号資産(仮想通貨)を運用する方法
冒頭で紹介したパンケーキスワップのように、購入した暗号資産をさらに運用して増やそうという動きも広がっています。
暗号資産レンディング
暗号資産(仮想通貨)レンディングとは、保有している暗号資産を貸し出して金利を得られる預金のようなサービスです。
暗号資産取引所が提供しているので、暗号資産を購入した取引所のレンディングサービスに一定期間預けておくと、預けた期間と暗号資産ごとの金利に応じて利子を得ることができます。
年利1~5%くらいが一般的なので、銀行に法定通貨を預金するよりは100倍以上高い利子がもらえることになります。
ただし暗号資産を預けている取引所が破綻した場合は、預けた暗号資産は返ってこない可能性が非常に高いので、財務体質が強固な大手の取引所を選ぶ必要があります。
イールドファーミング
近年DeFiでの資産運用で注目されているのがイールドファーミングです。
イールドファーミングとは、レンディングやDEX(分散型取引所)などのDeFiサービスに暗号資産を貸し出して流動性を提供することで、その報酬として金利や手数料を得る運用のことです。
暗号資産を売買したい人のために、自分の持っている暗号資産をペアにして貸し出す流動性マイニングと、単一の暗号資産を預け入れるステーキングがあります。
貸し出す暗号資産によって報酬の年利(APR)は異なりますが、100%をゆうに超えるものが多く、高いものでは500%を超えるものもあります。
ただし、年利が高いということはそれだけリスクも高いということです。
イールドファーミングができるDEX(分散型取引所)として有名なサービスには、Uniswap、SushiSwap、PancakeSwapがあります。
イールドファーミングまでの流れは少し複雑で、
取引所で暗号資産を購入
↓
メタマスクなどのウォレット送る
↓
イールドファーミングができるプラットフォームにつなぐ
↓
預けたい暗号資産をペア(LPトークン)を作る
↓
暗号資産ペアを預ける
という初心者にはとっつきにくいプロセスがあります。
ちなみにパンケーキスワップと連携して、イールドファーミングをするまでの操作を1クリックででき、ファーミング報酬に加えて更に独自のトークンがもらえるxWINという暗号資産運用プラットフォームがあります。
DeFi暗号資産運用のリスク
管理者がいないDecentralized Financeであるため、何かミスをしても誰かが保障してくれることはなく、完全な自己責任が求められます。
DeFiで暗号資産を運用する際には、全投資資産の5%程度を上限にするなど、「無くなっても困らない」資金で運用することを強くおすすめします。
セキュリティのリスク
もしもウォレットのパスワードが流出したら、そのウォレットを通じて投資している資産やリクイディティプールにロックしている資産もすべて取られる危険性があります。
さらに、復元用のパスフレーズを忘てしまうと誰も取り出せなくなってしまいます。
パスワードとパスフレーズは紙に書いて金庫などに保管しておくことが望ましいです。
また、スマートコントラクトにバグがあったり、何らかの形でハッキングされたりして、暗号資産が消失してしまうリスクがあることも理解しておく必要があります。
操作ミスのリスク
暗号資産が動いているネットワークはそれぞれ異なるので、送信先のネットワークを間違えてしまうを消失してしまう危険性があります。
また、送信先のアドレスを間違えて送ってしまった場合、相手方を特定することが非常に困難で、戻ってこない可能性が高いです。
対処法としては、送金する時に必ずテストとして少額を送ってみて、間違いが無ければ本送金をするという作業を習慣づけることです。
価格下落や詐欺コインのリスク
暗号資産はボラティリティが非常に高く、短期間で5倍~10倍になることがある一方で、5分の1~10分の1になることも十分に考えられるリスクの高い資産です。
イールドファーミングで資産ペアを預けている場合、預けている1CAKEは1CAKEで変わりませんが、その価格変動によって円に戻した時に資産が減っている可能性もあります。
また、保有している暗号資産(トークン)を発行しているプロジェクトがポシャると、その暗号資産は無価値になってしまうというリスクもあります。
過去には時価総額がわずか35分で6000万ドルから0になったプロジェクトもあるくらいです。
詐欺にも使われていて、トークンを買わせるだけ買わせて消えてしまう運営主体もいます。
保有しようとするトークンは、どんな人たちが運営していて、どのようなプロダクトがあるのかをしっかり調べて、あまりに高すぎるAPR(年利)のものは避けるようにしましょう。
暗号資産を購入する取引所
最初に暗号資産(仮想通貨)を買う取引所は、東証一部上場のマネックスGの子会社であるコインチェックがおすすめです。
スマホアプリだけで500円から投資ができ、取扱暗号資産数は国内取引所No1です。(2020年7月時点)
レンディングの金利が高いところと、イールドファーミングをするために、メタマスクなどのウォレットへの送金が簡単にできるのが良いところです。
僕の場合はSBI VC Tradeで口座を開いたのですが、
・取引できる暗号資産が少ない(XRP、BTC、ETHのみ)
・レンディングの金利が低い
・暗号資産を別のウォレットに移すハードルが高い
という理由で使い勝手が悪くおすすめできません。