移動平均線は多くの人がテクニカル分析を学ぶ時に最初に目にするのではないでしょうか。私も一番最初に学んだテクニカル分析は移動平均線でした。
移動平均線は株式投資だけでなく、FX(外国為替証拠金取引)や先物取引でもトレンドを見るために頻繁に使われます。
移動平均線とは過去の株価の平均値
移動平均線とは、ある期間の終値の平均値をつなぎ合わせて一本の線にしたものです。
写真は25日移動平均線なので、過去25日間の終値の平均値がこのピンクのラインに記されています。
この期間は自由に設定できます。
株価が移動平均線より上にある時は、指定された期間の平均取得額よりも高いということなので、株主のポジションは含み益の状態である(=強気)場合が多いと言えます。
株価が移動平均線より下にある時は、指定された期間の平均取得額よりも低いということなので、株主のポジションは含み損を抱えている(=弱気)場合が多いと言えます。
一般的には3本くらいまとめて表示します。
移動平均線の欠点は恣意性が高いこと
「期間は自由に設定できる」と書きましたが、その自由さゆえに恣意性が強く、どの移動平均線を見たら適切は判断ができるのかよくわからないという欠点があります。
さらに単純移動平均なのか加重平均移動平均なのか指数移動平均なのか、選択肢がたくさんあって初心者はこんがらがってしまいます。
下のチャートは、単純移動平均である上のチャートを指数移動平均に変えたものです。
全然違いますよね。
移動平均線の効果的な使い方は機能している線を探す
そこで最近やってみたのが、どの移動平均線が機能しているかを探すという使い方です。
あまり細かく見る必要はなく、私は日足で5日-25日-75日、週足で5週-25週-75週、月足で5月-25月-75月の9本を見て、機能している移動平均線を探します。
例を見てみましょう。
ジャパンエレベーターの例
これはジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)の株価チャートです。
赤色の25日移動平均線が機能しているのが確認できたので、黄色丸の所で買いました。
クレスコの例
こちらは75日移動平均線が機能していたので、またまた黄色丸の所で買いました。
この2つはたまたまうまくいった例ですが、この位置で買えば移動平均線を下抜けした時にすぐ損切できるので、損失額を抑えることができます。
機能している移動平均線を探すことで、その銘柄のホルダーがどの時間軸で投資しているのかが少し見えてきます。
より詳しく学びたい場合の参考書籍
チャート分析の第一人者として投資教育活動をされている小次郎講師こと手塚宏ニ氏の大作。
テクニカル分析の書籍にありがちな「これが買いサイン、売りサイン」という、簡単だが中身の薄い分析とは異なり、「なぜそうなっているのか?それはどういうことなのか?」をしっかりと伝えてくれる良書です。
小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大全
小次郎講師流 目標利益を安定的に狙い澄まして獲る 真・トレーダーズバイブル