株式投資には買い(ロング)と空売り(ショート)の2パターンがあります。
買いはそのままです。
空売りとは株価の下落で儲ける投資手法
空売りというのは証券会社から株を借りて来て売り、値下りしたところで買い戻して証券会社に返却すると、値下りした分が利益になるという売買手法です。
売った株価より値上がりしてしまうと高値で買い戻すことになり損失となります。
難しく聞こえますが、実際にやってみると買いと同じ要領で簡単に操作できます。
しかし空売りは非常に勝ちにくい手法だと思います。私も空売りは何度も挑戦しましたが、通算損益は赤字です。
なぜ空売りは勝てないのか
なぜ空売りは勝てないのか、その理由を考えてみました。
値幅が小さい
株価が3倍になる銘柄は珍しくないですが、倒産して株価が0になる銘柄は非常に少ないです。
1000円で買った銘柄が3倍になったら2000円の値幅、対して1000円で売った銘柄は倒産しても1000円の値幅、どちらが大きな値幅が取れるかは一目瞭然です。
私の買いの最高損益率は162%ですが、空売りの最高損益率はワールドHDの12.4%です。
損失は無限大
株価が3倍になるということは、1000円で空売りすると2000円の損失が出るということです。寄らずのストップ高が連続した日にはその1度で退場まで追い込まれる可能性があります。
株価には天井が無いので、空売りした銘柄の株価が上がり続ける限り損失は無限に増え続けます。
買いで入ると倒産しても1000円の損失です。
貸株料がかかる
空売りをするには証券会社から株を借りることになるので貸株料(金利)というコストがかかります。
空売りは信用取引の1つになりますが、取引所の指定した制度信用と、証券会社が独自に指定した一般信用があり、貸株料(金利)は年率2%以上です。しかも株価が動いていない土日祝日にもかかります。
年率10%のリターンを継続してあげられたらすごいと言われる株式投資で、2%も余計に金利がかかるのは不利です。
PKO(株価維持政策)がある
PKOとはprice keeping operationの略で、株価が大幅に下落しないように、公的資金を活用して国が株式を買い付けることです。
「日本銀行やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がETFを〇〇〇億円分買った」というあれです。
買いの投資家にとってはありがたい政策ですが、空売りにとっては不利に働きます。
逆日歩がかかる
空売りは株を借りて行うので、無限に空売りすることはできません。
空売りが多くなると当然貸し出しに回っていない株数が少なくなります。
貸し手は足りなくなった株をまた誰かから借りて来なければならず、その借り料を投資家に負担させるのが逆日歩です。
逆日歩は1日単位でかかり、しかもその日の取引が終わってみるまでいくらかかるのか分かりません。
金額はだいたい1株につき1日0.01円~2円くらいなので、1000株空売りしている銘柄に2円の逆日歩が付くと、1日2000円もの逆日歩がかかります。
空売りで絶対にやってはいけないこと
時価総額の小さい、いわゆる小型株の空売りは、相当腕に覚えのある方でないとやってはいけません。
小型株は何かのきっかけで簡単に2倍3倍に急騰することがあります。
これは 【急騰銘柄研究】3ヶ月で11倍、ASJ(2351)の初動からの株価推移 で紹介した銘柄の連続ストップ高のチャートですが、新技術の論文がIEEEに承認されたという材料を受けて急騰しました。
急騰前の時価総額が34億円ととても小さいことから、大きな資金が入ってくるとすぐに株価が上がってしまいます。
時価総額が500億円以下の銘柄の空売りは避けた方がいいと思います。
10日くらいで株価が5倍に跳ね上がっていますが、こうなってしまうとあっと言う間に投資金額の5倍の損失を被ることになります。
まとめ
株価は上がる時よりも下がる時の方がスピードが速いと言うので、空売りで儲けられる人がいるのも事実です。
空売り専門のファンドもあるくらいです。
ただ、やはり初心者にとっては難易度が高い割に期待値が低いので、よっぽど明確に株価が下がるような材料を掴んでいる時と、買いポジションを持っている銘柄のリスクヘッジのためのつなぎ売り以外ではやらないでおこうと思います。
オニールの空売り練習帳
それでも空売りをやってみたいという方はぜひ読んでみてください。
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